お歳暮1218まで

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第六章:こだわりを形に ~体と環境に優しい梅干作りを実践~

第六章:こだわりを形に ~体と環境に優しい梅干作りを実戦~

こだわり① 本当の紀州梅の美味しさを届けたい

梅干は昔から日本人の生活と健康に欠かせない食べ物として重宝されてきた。その健康食品としての梅干を作るにあたり精一には決して譲れないものがあった。

「同業他社が合成保存料や化学調味料などをどんどん使うようになる中で、私はどうしてもその類のものを使いたくなかった。食べてくれる人には、本当の紀州梅の美味しさを味わってもらいたいのです」

通常、塩分が20%以上ある原料梅干から塩分を除く方法には、梅干を一定時間「水」に漬ける方法が取られる。しかしこの方法では、梅干が水っぽくなり、さらに塩分と一緒に梅の旨味や大切な成分が溶け出してしまう。そんな抜け殻のような梅に化学調味料や酸味を添加して梅干風の味に整える。それはもう、梅干の形をした全く別の食べ物である、と精一は感じていた。

加えて、保存性を高めるために一般的に使われる食品添加物「ビタミンB1(V.B1)」の存在だ。この添加物は、チアミンラウリル硫酸塩やチアミン塩酸塩などのことであり、梅干をはじめとした漬け物やパンやうどんなど、様々な食品に使われている。しかし、独特の臭みや風味があるため、使用すると精一が求める梅本来の美味しさとはかけ離れてしまうのだ。

精一は、これらの問題を解決するため、調味液の原料にはできるだけ自然植物由来のものを厳選し、美味しさと保存期間の最適なバランスを追究した。そして脱塩方法は、海水を淡水化する「電気透析装置」を用いて、原料梅干を調味液に漬けながら脱塩する独自の方法に辿り着いたのである。

こうして誕生した岡畑農園の梅干は、完熟した紀州梅本来の美味しさを保ち、調味梅の一般的な賞味期限の3ヶ月を優に上回る1年間の賞味期限を実現している。

枝なり完熟梅本来の美味しさを届けたい。
その思いが「幻の梅」を生み出した。
海水を淡水化する電気透析装置で
梅の美味しさを残したまま脱塩する。
精一のこだわりは数値化され、
若い世代にしっかり受け継がれている。

こだわり② 豊かな自然に囲まれたこの土地を守りたい

岡畑農園の梅干づくりは、紀州・上芳養(かみはや)の豊かな自然に支えられている。この自然を大切にしながら梅干を作る。それがこの地で天職を与えられたものの責任でもあると、精一は、人にも環境にも優しい持続可能な梅干づくりに積極的に取り組んだ。

調味液を再利用する独自製法に始まり、ゴミゼロの推進、365日24時間体制で排水を管理、周辺河川の護岸整備も進めた。

その結果、「工場排水」「使用済み調味液」「剪定木」など、工場からの廃棄物を限りなくゼロに近づけることに成功し、排水している川にはホタルが飛ぶようになったのである。

岡畑農園は、これからもゴミの完全ゼロ化(ゼロエミッション)に向けて努力を続けていく。


「自分が食べて美味しいと思う、安全で安心なものしか作らない」
彼のこの信念が次代を担う人たちに受け継がれることを願っています。(岡畑康栄)

私は子育てに注ぐべき情熱のほとんどを、仕事に注いで来たと言っても過言ではありません。夫の夢を実現させるために子どもたちにも随分助けてもらいました。本当に心から感謝しています。

「自分が食べておいしいと思うもの。しかも、安全で安心できる商品をお客様にお届けすること」

創業当時から変わらない夫の信念を、「うまい梅」「幻の梅」とともに、次代を担う人達が永々と受け継いでくれることを心から願っています。


夢に向かって真摯に歩み続け、一代で岡畑農園を築いた創業者、岡畑精一は、「お客さまからの『美味しかった』の声が何よりの励みになる」と言う。

その、食べる人のことを第一に考え、本物の梅干作りにこだわり続けた精一の不屈の精神は、若い世代にしっかり受け継がれ、今も岡畑農園に生き続けている。